猫がふらつくのは病気?|考えられる原因と対応を解説

「愛猫が最近よろけることが増えた」
「後ろ足に力が入らないように見える」
「歩き方がいつもと違う気がする」
このような経験がある方も多いのではないでしょうか。

猫のふらつきは一時的な体調不良で起こることもある一方で、心臓や脳、内臓の病気など命に関わる疾患が原因となっている場合もあり、軽視できない症状の一つです。

今回は猫のふらつきについて、考えられる原因や気づいたときの対応を解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛猫の健康管理にお役立てください。

塀の近くにいる三毛猫
目次

猫のふらつきは思わぬ病気のサインかもしれません

猫のふらつきは、原因が非常に幅広く、見た目だけでは何が起きているのか判断しにくい症状です。

ふらつきの程度が軽い場合や一時的に見える場合でも、背景に治療が必要な病気が関わっていることがあります。
気になる症状が見られた場合は早めに動物病院へ相談することが大切です。

ここからは、猫のふらつきを引き起こす代表的な原因について見ていきましょう。

猫のふらつきの原因

猫のふらつきの原因は、神経系の病気から内臓の疾患まで、以下のようなものが考えられます。

  • 神経系の病気
  • 心臓・血管の病気
  • 内臓の病気
  • ケガ
  • その他(加齢による筋力低下、中毒など)

原因によって緊急性や治療法が大きく異なるため、それぞれの特徴を把握しておくことが早期対応に役立ちます。

神経系の病気

神経系の異常は猫のふらつきの代表的な原因の一つです。
特に平衡感覚を司る前庭や、脳そのものに問題がある場合に症状が現れやすい傾向にあります。

前庭疾患は、内耳にある体のバランスを保つ器官に異常が起きる病気です。
頭が傾く「斜頸(しゃけい)」や、眼球が勝手に揺れ動く「眼振(がんしん)」を伴うことが特徴です。
自然に回復するケースもあるものの、脳腫瘍や脳炎といった深刻な病気でも似た症状が現れるため、動物病院での鑑別が欠かせません。

心臓・血管の病気

心臓の病気が原因のふらつきは、前触れなく発症し重症化しやすい傾向があります。

中でも注意が必要なのが、大動脈血栓塞栓症です。
心臓の中でできた血栓(血の塊)が血流に乗って後ろ足の血管に詰まることで発症し、突然激しく鳴き叫ぶほどの痛みが生じ、後ろ足が動かなくなります。

肉球が冷たくなったり白っぽくなったりすることも特徴の一つです。
致死率が高く緊急性も極めて高い病気であり、一刻も早い対応が求められます。
治療には投薬のほか、血栓を取り除く手術が選択されることもあります。

メインクーンやラグドール、スコティッシュフォールドなどは、原因となる心臓の病気を持ちやすい品種とされています。

内臓の病気

内臓の機能低下がふらつきの原因になることも少なくありません。

代表的なものとして、

  • 慢性腎臓病
  • 糖尿病
  • 甲状腺機能亢進症

が挙げられます。

慢性腎臓病は高齢の猫に非常に多い病気で、脱水や食欲低下、体重減少を伴いやすいのが特徴です。
ふらつきが比較的早い段階から現れることもあるため、飲水量や体重の変化とあわせて注意が必要です。

糖尿病では、神経障害が進むとかかとを地面にペタリとつけて歩く特徴的な歩き方が見られることがあります。

甲状腺機能亢進症も高齢猫に多く、体重減少にもかかわらず食欲が増すなどの変化とともにふらつきが現れることも珍しくありません。

ケガ

外傷によるふらつきも見逃せません。

高い場所からの落下事故や交通事故によって骨折や脱臼が起きると、片足をかばうような歩き方やふらつきが見られます。
骨折の状態によっては整形外科的な手術が必要になるケースもあります。
外に出る猫の場合は脊髄損傷等にも注意が必要です。

その他の原因

上記以外にも、

  • 加齢による筋力低下
  • 変形性関節症
  • 中毒症状
  • 重度の貧血
  • 中耳炎・内耳炎

なども猫のふらつきを引き起こすことがあります。

原因は非常に多岐にわたるため、飼い主の目だけで原因を特定することは難しく、動物病院での検査が重要になります。

草を舐めているキジトラ白猫

こんなふらつきはすぐ病院へ

猫のふらつきの中には、すぐに動物病院を受診すべき緊急性の高いケースがあります。

以下のような症状が見られた場合は、様子を見ずにすぐ動物病院を受診してください。

  • 突然激しく鳴き叫び、動けなくなった
  • 後ろ足が冷たい、肉球の色が白や紫に変わっている
  • けいれんを起こしている、意識がもうろうとしている
  • 呼吸が荒い、口を開けて呼吸をしている

これらは大動脈血栓塞栓症や脳疾患などが疑われる症状であり、時間の経過とともに状態が悪化するおそれがあります。

ふらつきに気づいたときの対応

猫のふらつきに気づいた場合は、様子を見る期間を長く取らずに、早めの受診が大切です。

受診までの間は、高い場所からの落下を防ぐために行動範囲を制限し、安全な環境を整えてあげてください。
あわせて、ふらつきがいつから始まったか、どのような状況で起こるか、食欲や体重の変化はあるかといった情報を記録しておくと、獣医師の診断に役立ちます。

日頃から愛猫の歩き方や様子を観察しておくことが、異変の早期発見につながります。

仲良く寝ている猫

まとめ

今回は猫のふらつきについて、考えられる原因や気づいたときの対応を解説しました。
ふらつきは多くの疾患のサインとして現れる症状であり、早めの対応が重要です。

RASKでは専門的な検査から外科的な治療まで幅広く対応し、ふらつきの原因に合わせた適切な治療につなげることに力を入れています。
愛猫の歩き方に少しでも異変を感じたら、ぜひお気軽にご相談ください。

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

獣医師、合同会社RASK代表、京都動物医療センター整形外科科⻑
資格:テネシー大学公式認定 CCRP
全国の犬猫の出張外科医として活動中