「断尾手術が必要と言われたけどどんな手術?」
「うちの子に断尾は必要なの?」
「どんな合併症があるの?」
断尾手術が必要と言われてこのような不安を感じたことはありませんか?
断尾手術はあまり馴染みのない言葉のため、ご不安に感じられる飼い主様も多くいらっしゃると思います。
今回の記事では、この犬の断尾手術について解説します。
断尾手術についてご不安に感じている飼い主様はぜひ参考にしていただき、少しでもその不安を取り除くことができれば幸いです。

断尾手術とは?
断尾手術とはその名の通り尻尾を切断する手術です。
尻尾にできたケガや腫瘍などの治療を目的に行われます。
断尾手術は見た目が大きく変わることもある手術です。
また、犬の尻尾には大きな血管や神経も通っています。
そのため、断尾を適切な範囲で行うために犬の状態をしっかり確認し、画像診断などの検査も行われます。
断尾手術による合併症
断尾手術では合併症の発生に注意が必要です。
手術後の合併症には、手術部位の細菌感染や縫った傷口が開いてしまう縫合不全などが挙げられます。
こうした合併症の防止には、抗生剤の投与や傷口を舐めないようにするなどの対策が重要です。
患部を清潔に保ち、エリザベスカラーを装着することで、傷口への細菌感染や縫合した傷口が開いてしまうことを防ぎます。

断尾手術が必要な病気は?
断尾手術は尻尾の病変に対し内科治療での改善が難しい場合などに行われることがある手術です。
断尾が必要になる主な病気には、
- 外傷
- 自咬症
- 腫瘍
などが挙げられます。
それぞれ見ていきましょう。
外傷
尻尾の外傷は断尾が必要になる原因でも多い症状です。
犬は嬉しくて尻尾を壁やケージなどに打ち付けてケガをしてしまうことがあります。
これをハッピーテイル症候群と呼び、軽症の場合は通常の内科治療で可能です。
しかし、ケガが繰り返されると尻尾の先が壊死する場合があり、こうなると内科治療で治すことが難しくなってしまいます。
尻尾のケガは痛みがあり犬にとってストレスです。
断尾手術によって、このような尻尾の不快感や痛みを和らげることが期待できます。
自咬症
自咬症によって犬が尻尾を咬み続けるときは断尾手術が適応になることがあります。
自咬症とは、ストレスや皮膚疾患がきっかけで自分の尻尾を咬み続けてしまう行動です。
軽度の場合は環境改善や薬による内科治療で治療可能です。
一方で重度になると傷が深くなり感染や壊死の原因になります。
自咬症はストレスや行動学的な異常も原因になっていることがあります。
そのため、断尾手術と同時に行動学的な異常への治療も並行して行うことが必要です。
重度の自咬症は痛みやストレスから犬の生活の質を下げてしまいます。
断尾手術はこうした症状のある犬の生活の質を改善することが期待できます。
腫瘍
尻尾にできた皮膚腫瘍も断尾が必要になる代表的な病気です。
皮膚にできる腫瘍には同じ場所での再発率の高いものや腫瘍から出血してしまうものなどがあります。
例えば、血管周皮腫と呼ばれる腫瘍では断尾手術が選択されることがあります。
この腫瘍は、転移する可能性は低いものの同じ場所で再発する可能性が高い腫瘍です。
できるだけ再発する可能性の少ない治療方法として、完全に切除が可能な断尾手術が選択されることがあります。
また、毛母腫と呼ばれる良性腫瘍でも断尾手術が行われることがあります。
この腫瘍は良性ですが腫瘍から血膿が出る場合があり、犬や飼い主様にとってストレスになりやすい腫瘍です。
このような腫瘍では、腫瘍を完全に取り切ることを目的に断尾手術が選択されます。
断尾手術後の予後と生活への影響
断尾手術後も多くの犬は、生活の質を保ちながら普段通りに過ごすことが可能です。
予後は良好なことが多く、腫瘍の場合は適切に切除ができれば再発リスクを抑えることができます。
外傷でも痛みや細菌感染の原因が取り除かれることで回復が期待できます。
手術後は10日〜14日間はエリザベスカラーを装着し、傷口を清潔に保つなどの管理が必要です。
このように、手術後は尻尾が短くなりますが生活への影響は少なく、普段通りの生活を送れることが多いとされています。

まとめ
犬の断尾手術は見た目が大きく変わる可能性があり、不安に感じられる飼い主様が多い手術です。
適切な範囲で切除ができれば予後は比較的良好で、生活の質も保たれることが多いとされています。
手術を行う際には獣医師とよく相談し、切除の範囲や合併症の可能性について確認したうえで実施することが大切です。
RASKでは外科を専門とする獣医師が全国の提携病院と協力し適切な診断から治療まで行える体制を整えております。
犬の断尾手術にも対応していますので、手術についてご不安を感じている飼い主様はお気軽にご相談ください。