猫の断尾手術とは?手術が必要になる原因や生活への影響を獣医師が解説

座っているキジトラ長毛猫

猫の断尾手術と聞いて、
「尻尾を切ってしまって大丈夫?」
「元通りの生活はできるの?」
「断尾以外の方法はないの?」
このように感じられる飼い主様もいらっしゃると思います。

今回の記事では猫の断尾手術について解説します。
獣医師から断尾の可能性を伝えられ、不安を感じられている飼い主様はぜひ参考にしてください。
この記事によって少しでも不安を取り除くことができれば幸いです。

目次

猫の断尾手術とは?

断尾手術とは尻尾の一部または全体を外科的に切除する治療法です。
尻尾のケガや腫瘍など、内科的な治療だけでは回復が難しい場合や腫瘍の完全切除を目的に行われることがあります。

ケガをした部分を放置すると、感染が広がったり慢性的な痛みが続いたりするため、猫にとって大きなストレスにつながります。
断尾手術は症状の悪化を防ぎ、猫の生活の質を保つために行われます。
また断尾手術は猫の全身状態や画像診断等の検査結果をもとに、切除する範囲を決定してから行われます。
猫の断尾手術では、どの程度の範囲で断尾が必要なのかを確認した上で手術の適応を判断することが重要です。

断尾手術後に生じやすい合併症

断尾手術後に生じやすい合併症は、猫が傷口を舐めてしまうことによって傷口が開く縫合不全が挙げられます。
このような合併症を防ぐために、手術後はエリザベスカラーを装着することが必要です。
また、傷口への細菌感染にも注意が必要です。
細菌感染を防ぐために、術後は抗生剤を投与し傷口を清潔に保つなどの対策が行われます。

茶トラ猫の尻尾

断尾手術が必要になる原因

断尾手術が必要になる原因はさまざまです。
尻尾は先端に向かうほど血流が乏しく、皮膚の余裕もないためケガの治りが悪い部位です。
そのため、内科的な治療で回復が難しい場合には断尾手術が必要になることがあります。

断尾が必要になる主な原因には、

  • 外傷
  • 輪ゴムなどによる尻尾の締め付け
  • 腫瘍

などが挙げられます。
それぞれ見ていきましょう。

外傷

尻尾の外傷は断尾が必要になる原因の中でも特に多い原因です。
外傷の原因はドアに尻尾を挟み込む事故や、ストーブなどの暖房器具によるやけどなどさまざまです。

外傷は軽度のものであれば、抗生剤などを使った内科的な治療で対応できることがあります。
一方で、重度のものになると感染が広がりやすく、尻尾の周りの組織が壊死してしまうため断尾手術が必要になる可能性があります。

輪ゴムなどによる尻尾の締め付け

輪ゴムや細い紐などが尻尾に巻きついて締め付けられた状態が続くと、断尾手術が必要になることがあります。
尻尾が締め付けられることで血流が遮断され、尻尾の先端が壊死してしまうためです。

小さい子供のいるご家庭などでは、子供がふざけて輪ゴムや紐を巻き付けてしまうことがあるため、とくに注意が必要です。
壊死が起きた組織は血流が再開しても元に戻らず、放置すると壊死した範囲が広がってしまうため、断尾が必要になることがあります。

腫瘍

尻尾にできた腫瘍では断尾手術が選択されることがあります。
腫瘍の治療では再発や転移を防ぐために十分な範囲を確保する必要があるためです。

例えば、尻尾にできた皮膚の肥満細胞腫と呼ばれる悪性腫瘍は、断尾手術が必要になることがある病気です。
また、肥満細胞腫は内臓にできることもある腫瘍のため、超音波検査などで肝臓や脾臓などに異常がないかを確認する必要があります。

尻尾の腫瘍は、発見が早ければ断尾手術によって治療に必要な切除範囲を確保できる場合もあります。
尻尾にしこりのようなものがあることに気付いたら、早めに病院を受診することが重要です。

断尾手術後の生活への影響とケアの方法

多くの猫は断尾手術後も普段通りの生活を送れるようになるとされています。
猫の尻尾はバランス感覚やコミュニケーションに関わる部位ですが、手術後しばらく経てば以前と変わらず元気に過ごしているケースが多いです。

手術後のケアの方法

手術後は通常10日〜14日で抜糸が行われます。
抜系までの間は傷口を舐めて傷が開いてしまったり、細菌感染を起こしてしまったりしないよう、エリザベスカラーの装着が必要です。
また、手術のストレスや痛みから食欲が落ちることがあるため、痛み止めが使用されることもあります。

こちらを見ている茶トラの丸顔猫

まとめ

猫の断尾手術は外傷によるストレスを和らげたり、腫瘍の治療のために行われることのある手術です。
断尾手術によって猫の生活の質を維持しながら病気の再発防止などが期待できます。

手術の際には猫の状態や病変の大きさなどを確認し、どの程度の切除が必要か事前に確認することが重要です。
そのため、手術を行う前に獣医師とよく話し合うことが大切です。RASKでは専門的な知識と高度な技術を持った獣医師が手術を行っています。
猫の断尾手術にも対応しておりますので、猫の断尾手術についてご不安をお持ちの飼い主様は、ぜひお近くの提携病院までお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

獣医師、合同会社RASK代表、京都動物医療センター整形外科科⻑
資格:テネシー大学公式認定 CCRP
全国の犬猫の出張外科医として活動中