猫の歩き方がおかしい|考えられる病気と受診の目安

毛糸の近くにスコティッシュフォールド

「最近、猫の歩き方がぎこちない気がする」
「片足をかばうように歩いている」
「高い場所にジャンプしなくなった」

このような経験がある飼い主様も多いのではないでしょうか。
猫の歩き方の異常は、軽い怪我から緊急性の高い病気まで、さまざまな原因が隠れているサインの一つです。

この記事では、猫の歩き方がおかしいときに考えられる原因と病気について解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛猫の健康管理にお役立てください。

目次

歩き方がおかしいのは病気のサイン

猫の歩き方の変化は、体の不調を知らせる重要なサインです。
猫はもともと痛みを隠す傾向が強く、明らかに足を引きずっていなくても、
「キャットタワーに登らなくなった」
「2階に行かなくなった」
といった行動の変化が、歩行異常を示す隠れたサインになっていることも少なくありません。

歩き方がおかしくなる原因は

  • 外傷・整形外科的な原因
  • 神経系の原因
  • 内科的な原因

の3つに大きく分類されます。

外傷・整形外科的な原因

猫の歩き方がおかしいときに最も多いのは、骨や関節、筋肉などに関わる外傷・整形外科的な原因です。
猫は高い場所からの飛び降りやドアに足を挟むといった日常的な場面で怪我をすることがあり、室内飼いであっても油断はできません。
代表的な外傷には、次のようなものがあります。

骨折

骨折は、高所からの落下や交通事故で発生しやすく、足を地面につけられなくなるのが典型的な症状です。
室内であってもキャットタワーや棚からの着地に失敗して骨折するケースは珍しくありません。

脱臼

脱臼は、膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)や股関節脱臼(こかんせつだっきゅう)が代表的です。
足をケンケンするように歩いたり、腰が下がった歩き方になることがあります。

捻挫・靭帯損傷

捻挫・靭帯損傷は、着地の失敗や他の猫とのケンカなどで靭帯を傷めることで起こります。
なかでも前十字靭帯断裂では急性の跛行(足を引きずること)が見られ、早急な対応が求められます。

岩に足をかけるキジトラ白猫

神経系の原因

神経系の異常によって歩き方がおかしくなる場合は、足の痛みではなく、体のバランスや運動機能そのものに影響が出るのが特徴です。
ふらつきや旋回運動が見られる場合は、以下のような疾患が原因として考えられます。

前庭疾患

前庭疾患は、中耳炎や内耳炎が原因で平衡感覚に異常が生じる病気です。
首が傾く、まっすぐ歩けないといった症状が見られ、重症の場合は立てなくなることもあります。

脳腫瘍・脳炎

脳腫瘍・脳炎では、脳へのダメージによって歩行に異常が現れます。
くるくる回る旋回運動や階段の昇り降りができなくなるといった症状のほか、性格の変化や痙攣が見られることもあります。

脊髄損傷

脊髄損傷は、高所からの落下が最も多い原因として知られています。
足の甲を擦って歩く、足に力が入らないなどの症状が見られ、24時間以内の受診が強く推奨されます。

内科的な原因

内科的な病気でも歩き方がおかしくなることがあり、なかには緊急性の高いものも含まれます。
足そのものに異常がないにもかかわらず歩き方がおかしい場合は、内臓や血液循環の問題が隠れている可能性があるため、注意が必要です。

動脈血栓塞栓症

動脈血栓塞栓症は、心筋症を抱える猫に多く見られる、非常に緊急性の高い病気です。
心臓内にできた血栓が後ろ足の血管に詰まり、突然後ろ足が麻痺して動かなくなります。

強い痛みで鳴き叫ぶことが多く、足が冷たくなるのも特徴的な症状として挙げられます。
これらの症状が見られた場合は、一刻も早い動物病院への受診が必要です。

糖尿病性末梢神経障害

糖尿病性末梢神経障害は、重度の糖尿病によって末梢神経に障害が起こる病気です。
後ろ足のかかとを地面につけたまま歩く、いわゆる「かかと歩き」が特徴的な症状として知られています。

加齢による筋力低下

加齢による筋力低下は、シニア期の猫に多く見られる変化です。
歩幅が狭くなったり、よろよろと歩いたりする様子が見られます。
病気ではなく自然な老化現象として起こりますが、他の病気が隠れていることもあるため、変化が目立つ場合は獣医師への相談をおすすめします。

受診の目安

歩き方の異常が見られた場合は、自己判断で様子を見ず、早めに動物病院を受診することが大切です。
特に以下のような症状がある場合は、緊急性が高い可能性があります。

  • 足が明らかに腫れている、または変な方向に曲がっている
  • ふらつきや旋回運動に加え、元気や食欲の低下が見られる
  • ぐったりしている、呼吸が荒い

症状が軽く見えても悪化するケースがあるため、「いつもと何か違う」と感じたら早めにご相談ください。

仰向けになっている白黒猫

まとめ

猫の歩き方がおかしいときは、外傷から内科疾患まで幅広い原因が隠れている可能性があり、早期発見と適切な対応が重要です。
「いつもと違うかも」と感じたら、早めの受診が安心につながります。

RASKでは全国の提携動物病院と協力し、適切な診断から治療までを行える体制を整えております。
愛猫の歩き方に少しでも気になる変化がありましたら、お気軽にお近くの提携動物病院にご相談ください。

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

獣医師、合同会社RASK代表、京都動物医療センター整形外科科⻑
資格:テネシー大学公式認定 CCRP
全国の犬猫の出張外科医として活動中