犬が散歩を嫌がるのはなぜ?|病気のサインである可能性と動物病院を受診するタイミングについて解説

「最近、散歩に連れ出そうとすると嫌がるようになった」
「途中で座り込んで、動かなくなってしまう」
「以前は喜んで歩いていたのに、急に散歩を嫌がるようになった」
犬を飼っているなかで、こんな変化に気づいたことはありませんか?
犬が散歩を嫌がる原因はさまざまですが、なかには病気や体の痛みが隠れていることがあります。
「性格の問題かな」「気分が乗らないだけかな」と見過ごしてしまいがちですが、体の不調のサインであることも少なくありません。

本記事では犬が散歩を嫌がる原因について、

  • 行動・環境的な原因
  • 病気・体の痛みが原因
  • 動物病院を受診すべきタイミング

をわかりやすく解説します。
愛犬の変化を正しく見極めるために、ぜひ最後までお読みください。

目次

犬が散歩を嫌がる理由とは?

犬が散歩を嫌がるとき、その背景にはさまざまな原因があります。
大きく分けると、「行動・環境的な原因」と「病気・体の痛みによる原因」の2つに分類できます。
それぞれの特徴を理解することで、愛犬の状態をより正確に把握することが可能です。
愛犬が散歩を嫌がるとき、それぞれの特徴に当てはまっていないか確認しましょう。

犬が散歩を嫌がる行動・環境的な原因

犬は病気とは関係なく、以下のような行動・環境的な原因で散歩を嫌がることがあります。

恐怖・ストレス

雷や花火などの大きな音、知らない犬や人との遭遇など、散歩中に怖い体験をしたことがきっかけで散歩を嫌がるようになることがあります。
とくに繊細な性格の犬はこのような経験の影響を受けやすい傾向が強いです。
恐怖やストレスで散歩を嫌がるような場合は無理に散歩に行かないようにしましょう。

気候・環境の変化

真夏の暑い時間帯や真冬の寒い日は、犬自身が外に出ることを嫌がることがあります。
とくに夏場はアスファルトの地面が高温になり、足の裏がやけどするリスクもあります。
この場合は散歩の時間帯や距離を季節に合わせて調整することが大切です。

加齢による体力の低下

シニア犬になると体力や筋力が落ち、以前と同じ距離や時間の散歩がつらくなることがあります。
年齢に合わせて犬の散歩の距離や時間を短くする工夫が必要です。
ただし、加齢による体力低下と思っていたものが実は病気のサインであることもあるため、注意が必要です。

原っぱにいるトイプードル

犬が散歩を嫌がる病気・体の痛みの原因

散歩を嫌がる原因のなかで、とくに注意したいのが病気や体の痛みによるものです。
犬が散歩を嫌がるとき、以下のような病気が隠れている可能性があります。

整形外科的な病気

犬に整形外科的な病気がある場合は、歩くことや体を動かすことに痛みが伴うため散歩を嫌がります。
代表的な整形外科的な病気は以下の通りです。

  • 関節炎
  • 変形性関節症
  • 椎間板ヘルニア
  • 馬尾症候群

とくに「立ち上がりや階段の上り下りを嫌がる」「歩き方がぎこちなくなった」という変化は、関節や脊椎に問題があるサインの可能性があります。
これらの病気は進行すると歩けなくなることもあるため、早めの動物病院の受診が大切です。

心臓病・呼吸器疾患

心臓病や呼吸器疾患がある場合は、散歩によって疲れやすくなるため散歩を嫌がるようになります。
とくに僧帽弁閉鎖不全症などの心臓病や気管虚脱などの呼吸器疾患があると、少し歩くだけで息が上がりやすくなります。
散歩の途中で、

  • たびたび立ち止まる
  • すぐに疲れる
  • 咳をする

といった変化が見られる場合は、心臓や呼吸器の病気が隠れているかもしれません。
心臓病や呼吸器疾患は安静時にも症状が出ることが多いので、散歩時以外でも症状がないか確認しましょう。

足裏・爪のトラブル

足裏や爪のトラブルがある場合も犬は散歩を嫌がります。
よく見られるトラブルには以下のようなものがあります。

  • 足の裏に傷やトゲが刺さっている
  • 爪が割れている
  • 肉球が炎症を起こしている

散歩前後に犬の足の裏を確認する習慣をつけておくと、こうしたトラブルに早めに気づくことが可能です。

全身的な体調不良

犬に全身に影響を与えるような病気がある場合は、倦怠感や体力の低下が起こり、散歩を嫌がることがあります。
代表的な病気は以下の通りです。

  • 腎臓病
  • 肝臓病
  • 貧血
  • ホルモンの病気

これらの病気は外見上はわかりにくいため、「なんとなく元気がない」という変化が唯一のサインであることもあります。

動物病院を受診すべきタイミング

以下のような変化が見られる場合は、病気が隠れている可能性があるため、早めに動物病院を受診しましょう。

  • 急に散歩を嫌がる
  • 歩き方がおかしくなる
  • 散歩中すぐに疲れる
  • 腰や足を触ると痛がる
  • 食欲や元気にも変化がある
  • 体重が減る

散歩を嫌がること自体はよくある変化ですが、上記のような症状が重なっている場合は病気のサインである可能性が高いです。
「様子を見ていたら悪化した」というケースも少なくないため、気になる変化があれば早めにご相談ください。

こちらを振り返るパピヨン

まとめ

犬が散歩を嫌がる原因は、恐怖や気候などの行動・環境的なものから、関節炎や心臓病のような病気まで幅広いです。
とくに「急に嫌がるようになった」「歩き方がおかしい」といった変化は、病気のサインである可能性があります。RASKでは跛行診断をはじめとした整形外科領域に力を入れております。
愛犬の歩き方に少しでも気になる変化がありましたら、お気軽にお近くの提携動物病院にご相談ください。

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この記事を書いた人

獣医師、合同会社RASK代表、京都動物医療センター整形外科科⻑
資格:テネシー大学公式認定 CCRP
全国の犬猫の出張外科医として活動中