「愛猫が足を引きずっている」
「足が腫れていて触ると痛がる」
「元気や食欲が急に落ちてきた」
このような症状に心当たりがある方も多いのではないでしょうか。
猫の足の痛みや腫れにはさまざまな原因があり、そのひとつとして細菌性骨髄炎という疾患が知られています。
細菌性骨髄炎は骨の内部に細菌が感染する病気で、放置すると骨が溶けてしまうこともあるため軽視できません。
この記事では猫の細菌性骨髄炎について、原因から症状、診断、治療法まで詳しく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛猫の健康管理にお役立てください。
猫の細菌性骨髄炎とは
猫の細菌性骨髄炎は、骨の内部にある骨髄に細菌が感染し炎症を引き起こす疾患です。
骨の内部は通常、外側の硬い骨によって守られているため簡単に細菌が入り込むことはありません。
しかし、外傷や手術などで骨に傷がつくと、そこから細菌が侵入して骨髄炎を発症することがあります。
感染が進行すると骨が内側から溶けて脆くなり、骨折につながることもあるため注意が必要です。
猫の細菌性骨髄炎の原因
猫の細菌性骨髄炎は、ブドウ球菌をはじめとする細菌が骨の内部に侵入することで発症します。
なかでもブドウ球菌は原因菌全体の約50%を占めるとされており、猫の皮膚や口腔内にも存在する常在菌です。
常在菌は健康な猫であれば免疫の働きで悪影響はありません。
ただし、次のような状況では細菌が骨の内部に侵入し、骨髄炎につながることがあります。
外傷や咬傷による感染
猫同士のケンカによる咬傷や高い場所からの落下などで骨に達するような深い傷を負うと、傷口から細菌が骨の内部に侵入することがあります。
特に外猫はケンカの機会が多いため、リスクが高いといえるでしょう。
室内飼育を徹底することで、こうした外傷のリスクを大きく減らすことができます。
骨折手術後の感染
骨折の治療で手術を行った場合、インプラント(金属のプレートやピン)の周囲に細菌感染が生じるケースがあります。
手術中に十分な感染対策が行われていても、リスクを完全になくすことはできません。
術後に傷口の腫れや痛みなどの変化が見られた場合は、早めにかかりつけの動物病院へ相談しましょう。
血行性感染
血行性感染は、体の別の部位で起きている感染が血流を通じて骨に広がるケースです。
成猫よりも子猫に多く見られるため、子猫のうちから体調の変化に気を配ることが大切です。
免疫力の低下
猫白血病ウイルス(FeLV)や猫免疫不全ウイルス(FIV)に感染している猫や、高齢の猫は、細菌への抵抗力が弱まりやすく、骨髄炎を発症しやすくなります。
FeLVやFIVについてはワクチン接種による予防も選択肢のひとつです。
免疫力が低下しやすい猫ほど、日頃の体調の変化に気を配り、定期的な健康チェックを受けておくと安心です。

猫の細菌性骨髄炎の症状
猫の細菌性骨髄炎の症状は、患部の痛みや腫れ、跛行などです。
感染の部位や進行度によって現れ方は異なりますが、代表的な症状として以下が挙げられます。
- 足を引きずる、または足を地面につけずに歩く(跛行)
- 患部の腫れや熱感
- 発熱
- 元気や食欲の低下
猫は痛みを隠す傾向があるため、初期段階では飼い主様が異変に気づきにくいことがあります。
「いつもと歩き方が違う」「高いところに上らなくなった」といった些細な変化にも注意が必要です。
外傷を負った際にも傷口が小さいからと様子を見るのではなく、早めに受診しておくことが感染予防につながります。
猫の細菌性骨髄炎の診断
猫の細菌性骨髄炎の診断は、レントゲン検査や血液検査、細菌の培養検査などを組み合わせて行われます。
骨折や関節炎でも似たような症状が見られるため、正確な診断を受けることが大切です。
特にレントゲン検査は、骨の内部の異常を初期の段階で捉えられるため、発見の大きな手がかりとなります。
あわせて、原因となる細菌の種類を調べる検査が行われることもあり、その結果をもとに愛猫に合った治療薬が選ばれます。
猫の細菌性骨髄炎の治療
猫の細菌性骨髄炎の治療は、抗生剤による内科治療が基本となりますが、重症例では外科的な処置が必要になることもあります。
抗生剤による内科治療
骨髄炎の内科治療では、原因となる細菌に合った抗生剤を長期間投与することが基本となります。
投薬期間は4~6週間以上に及ぶことも多く、飼い主様の根気強い投薬の継続が欠かせません。
治療の経過は定期的な通院のなかで、血液検査やレントゲン検査によって確認されます。
重症例での外科的治療
感染が進行して重症化した場合には、外科的な処置が必要になることもあります。
骨の壊死が生じているケースでは、傷んだ組織を取り除く処置や、膿がたまっている場合にはそれを排出する処置が行われます。
ただし、早期に発見して治療を開始できれば、こうした外科的処置を避けられる可能性が高くなります。
少しでも異変を感じた段階で動物病院を受診することが大切です。

まとめ
この記事では猫の細菌性骨髄炎について解説しました。
細菌性骨髄炎は早期発見と適切な治療で完治が目指せる疾患です。
どれだけ注意していても防ぎきれない感染もありますが、早い段階で異変に気づくことが悪化を防ぐ大きな鍵となります。RASKでは、レントゲン診断をはじめとする整形外科領域の診療に力を入れております。
愛猫の歩き方の違和感や足の腫れなど、気になる症状がありましたら、ぜひ提携の動物病院までお気軽にご相談ください。
