犬の大腿骨骨折とは?|原因・症状・手術についてわかりやすく解説

ドッグランで遊ぶチワワ

犬の大腿骨骨折とは?|原因・症状・手術についてわかりやすく解説

「高いところから飛び降りたら、足をつかなくなった」
「後ろ足を引きずっている気がする」
「動物病院で大腿骨の骨折って言われたけど、手術になるの?」
このような状況に、不安を感じている飼い主様もいらっしゃるかもしれません。
犬の大腿骨(太ももの骨)は、後ろ足の太くて長い骨で、強い力が加わると骨折してしまうことがあります。
とくに小型犬では、ちょっとした段差からの落下でも骨折することがあるため、注意が必要です。

今回は、犬の大腿骨骨折について、原因や症状、そして治療に必要な手術の内容まで、わかりやすく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、骨折の際の適切な判断と早めの治療の参考にしてください。

目次

大腿骨ってどこにあるの?

大腿骨は、骨盤と膝関節をつなぐ、犬の後肢の中で最も太くて丈夫な骨です。
しかし、一度折れてしまうと歩けなくなったり、激しい痛みが出たりするため、生活への影響が非常に大きい骨でもあります。

大腿骨が折れる主な原因

大腿骨骨折は最も一般的にみられる骨折のひとつです。
骨折全体の約20~25%を占めています。
犬の大腿骨骨折は、以下のような原因で起こることが多くあります。

  • 抱っこ中の落下
  • ソファや階段からの飛び降り
  • ドアや家具に挟まれる事故
  • 車との接触や衝突
  • 高所からの転落

交通事故や高所からの落下による骨折が多くみられます。
ただし、骨が細い小型犬や若齢犬では、比較的軽い衝撃でも骨折することがあるため注意が必要です。

飼い主様が気づく大腿骨骨折の主な症状

大腿骨が折れてしまうと、以下のような変化が見られます。

  • 後ろ足を浮かせて歩く(3本足歩行)
  • 痛がって触らせない
  • 足を引きずる
  • 足の長さが左右で違うように見える

とくに事故や落下の後などにこのような症状が見られた場合は、骨折の可能性が高いです。
大腿骨骨折は放置すると歩行に支障が出ることがあるため、早めの受診が大切ですね。

骨折の診断と検査

動物病院では、レントゲン検査によって骨折の有無や場所、折れ方を確認します。
大腿骨は骨折の仕方によっては関節にまで影響を及ぼすこともあります。
関節面にまたがる骨折や骨盤に近い場所での骨折の場合は、より精密な整復手術が必要になることがあります。
きちんと治療するためにも、まずは動物病院できちんと診断を受けることが重要ですね。

青空の下を散歩する犬と飼い主

大腿骨骨折は手術が必要?

大腿骨の骨折は、基本的に手術で治療することが多い骨折です。
とくに成犬では自然に骨がつくのを待つことは現実的ではありません。
骨折の手術を行わないと曲がってくっついたり、歩行に支障が残るおそれがあります。

ただし、骨の成長板が残っている子犬の場合や、ごく一部の安定した骨折では、保存療法(ギプスなど)を検討することもあります。

手術の方法と流れ

大腿骨骨折の手術では、折れた骨を正しい位置に戻し、プレートやスクリュー、ピンなどでしっかりと固定します。
骨の太さや骨折の仕方によって、使用する器具や固定法が異なるためまずはしっかりと検査をしてもらいましょう。

主な手術方法は以下の通りです。

  • 骨髄内ピン固定
  • プレートスクリュー固定
  • クロスピン固定(子犬の場合)

手術時間は1〜2時間ほどが一般的ですが、状態によって前後します。
全身麻酔が必要になるため、事前の血液検査や全身評価も重要です。
手術を受ける前には獣医師とよく相談して、どのようなリスクがあるかなどを理解しましょう。

術後のケアとリハビリ

手術が終わったからといって治療も終わりというわけではありません。
その後のケアがとても大切です。
術後は以下のような対応が必要になります。

  • 安静に過ごす(ケージレストや散歩制限)
  • 鎮痛剤や抗生剤の使用
  • 徐々に始めるリハビリ(マッサージや関節可動訓練)
  • 定期的なレントゲン検査で骨のつき具合を確認

一般的には、術後6〜8週ほどで骨が安定してくるため、その後は徐々に通常の生活に戻していきます。
生活を戻していくタイミングなどは獣医師とよく相談しましょう。

放置するとどうなるの?

大腿骨の骨折を放置してしまうと、

  • 骨がズレたままくっついてしまう(変形癒合)
  • 足の長さが左右で違ってしまう
  • 関節に負担がかかり、将来的に痛みや歩行障害につながる
  • 骨髄炎などの合併症を起こすおそれがある

など、後遺症のリスクが高くなります。
大腿骨骨折は早期に手術をすることによって、元のように歩ける可能性が大きく高まる骨折です。
骨折に気づいたり足の違和感があったりする場合は早めに動物病院を受診しましょう。

ドッグランを走るミニチュアダックスフンド

まとめ

犬の大腿骨骨折は、後ろ足の重要な骨が折れてしまう疾患で、ほとんどの場合で手術が必要になります。
早めに処置を行うことで、痛みの軽減や歩行の回復が期待でき、術後のリハビリもスムーズに進みやすくなります。

RASKでは、かかりつけの動物病院様と連携し、整形外科の出張手術にも対応しております。
愛犬の足に異常を感じた場合は、お早めにご相談ください。

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この記事を書いた人

獣医師、合同会社RASK代表、京都動物医療センター整形外科科⻑
資格:テネシー大学公式認定 CCRP
全国の犬猫の出張外科医として活動中