犬の腹腔鏡を用いた胆嚢摘出手術について|メリットや注意点を解説
「犬が胆嚢が悪いと言われてしまった」
「胆嚢摘出すると言われたけどどんな手術なの?」
「胆嚢摘出術は長く入院が必要になる?」
などの疑問をお持ちの方はいませんか?
犬は胆嚢疾患にかかることが少なくありません。
胆嚢疾患は、胆嚢に異常が起きる病気の総称です。
胆嚢疾患では、胆嚢摘出手術が必要になる場合があります。
胆嚢摘出手術は開腹手術が主流でしたが、近年では腹腔鏡を用いた胆嚢摘出が注目されています。
今回は、犬の腹腔鏡を用いた胆嚢摘出手術について、その特徴やメリット、注意点を詳しく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛犬の健康管理にお役立てください。
犬の胆嚢疾患とは?
犬の胆嚢は、肝臓で作られた胆汁を一時的に蓄える臓器で、消化機能を助ける重要な役割を担っています。
胆嚢疾患は胆嚢に異常が起きる病気で、以下のような疾患が発生することがあります。
- 胆嚢粘液嚢腫
- 胆石症
- 胆嚢炎
胆嚢疾患は初期は無症状なこともあり、検査で見つかることが多い病気です。
悪化すると、胆嚢破裂や全身症状につながり命の危険があります。
症状が進行する前に胆嚢摘出手術を行うことが必要になります。
腹腔鏡を用いた胆嚢摘出手術とは?
腹腔鏡胆嚢摘出手術は、小さな切開部位からカメラや専用器具を挿入し、胆嚢を摘出する方法です。
この技術は、人間の医療でも広く採用されており、動物医療においてもそのメリットが注目されています。
胆嚢摘出は以前は開腹手術が主流でした。
開腹手術と腹腔鏡手術の違いは何があるのでしょうか?
従来の開腹手術との違い
腹腔鏡手術と従来の開腹手術には、以下のような違いがあります。
開腹手術 | 腹腔鏡手術 | |
---|---|---|
切開部位 | 10~20cm程度の大きな切開 | 0.5~1cmの小さな切開が数カ所 |
動物への負担 | 比較的大きい | 最小限 |
術後の回復時間 | 長い(1~2週間以上) | 短い(数日~1週間程度) |
術後の痛み | 痛みが強く管理が必要 | 痛みが少なく快適 |

腹腔鏡を用いた胆嚢摘出手術のメリット
腹腔鏡で犬の胆嚢摘出術を行うことには、いくつかのメリットがあります。
メリットについて詳しく解説していきましょう。
体への負担が少ない
犬の腹腔鏡胆嚢摘出手術は、切開部位が非常に小さいため、術後の痛みが軽減され、体への負担が少なくなります。
痛みが少ないことで必要な麻酔の量も減るため、犬が早期に通常の生活に戻ることが期待できます。
開腹手術では1週間程度の入院が必要ですが、腹腔鏡胆嚢摘出手術では早ければ2〜3日で退院が可能です。
安全性が高い
犬の腹腔鏡胆嚢摘出手術では、腹腔内をカメラで拡大して観察するため、胆嚢や周囲の血管などをより詳細に把握できます。
止血も確実に行えるため、胆嚢を安全かつ正確に摘出することが可能です。
切開部位が小さいため、術後の感染症や出血のリスクが低くなることも安全性が高い理由です。
犬の腹腔鏡胆嚢摘出手術の注意点は?
犬の腹腔鏡胆嚢摘出手術は、従来の開腹手術と比べてメリットも多いですよね。
胆嚢摘出手術をするなら腹腔鏡がいいと思った方も多いと思います。
しかし、腹腔鏡胆嚢摘出手術にはいくつかの注意点もあります。
腹腔鏡胆嚢摘出手術の注意点は
- 専門的な設備と技術が必要
- 費用が高くなる可能性がある
- 手術の適応条件がある
です。
一つずつ解説していきます。
専門的な設備と技術が必要
犬の腹腔鏡胆嚢摘出手術を行うには、高度な技術と専用の器具が必要です。
そのため、対応可能な動物病院が限られる場合があります。
腹腔鏡手術を希望される場合は、動物病院へ問い合わせてみましょう。
費用が高くなる可能性がある
犬の腹腔鏡胆嚢摘出手術は設備費用や技術料が大きいため、開腹手術よりも費用が高い場合があります。
手術の適応条件がある
犬の腹腔鏡胆嚢摘出手術には適応条件があります。
胆嚢破裂を起こしてひどい癒着や出血がある場合などには、腹腔鏡手術が適さない場合もあります。
その時は開腹手術が選択されることになりますね。
どちらの手術方法が適しているかは、よく獣医師と相談しましょう。
まとめ
腹腔鏡を用いた犬の胆嚢摘出手術は、体への負担が少なく、安全性が高いという点で、犬にとっても飼い主にとっても魅力的な選択肢です。
しかし、適応条件や費用面などについては事前に確認し、動物病院と十分に相談することが大切ですね。
胆嚢疾患は早期発見と迅速な治療が重要です。
放置すると、胆嚢破裂を起こし命の危険があります。
必要があれば、早期に胆嚢摘出手術を行うことをおすすめします。
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腹腔鏡での胆嚢摘出をご希望の方は、提携病院にお問い合わせください。