断指術という手術の名前をきいたことはありますか?
断指術という文字の並びを見るとそれだけで恐ろしい気持ちになりますよね。
文字通り、断指術は「指を切断する手術」です。
今回は犬の断指術について詳しく解説します。
断指術が選択肢にあがるような状況にいらっしゃる飼い主様は、とてもつらい思いをされていることでしょう。
手術についての理解を深めることで、わからないことによるご不安から少しでも楽になることができれば幸いです。
断指術ってどんな手術?
断指術は、冒頭で述べたように「指を切断する手術」です。
手術は、関節の体幹に近い側の皮膚を切開して、関節を外して指を離断します。
離断後は切開した部分の皮膚を縫合します。
断指術は、細菌感染や腫瘍などの内科的治療が長期化している場合に、断指術は根本的な解決を目指すことができる手術です。
断指術はどんなときに行われるの?
断指術は、犬を家族のように大切に思っている飼い主様にとっては非常に大きな手術ですよね。
指を切ってしまわなければいけないような病気には何があるのでしょうか。
腫瘍
断指術を行う最も多い原因は、指先にできる腫瘍です。
指先にできやすい腫瘍には、比較的悪性度の高い腫瘍が多いです。
悪性度の高い腫瘍は、腫瘍の塊の部分だけでなく肉眼では見えない部分にも腫瘍細胞が存在し、大きくなろうと分裂を繰り返しています。
腫瘍の治療は、転移を防ぐためにも完全に腫瘍細胞を除去することが重要です。
完全に腫瘍細胞を除去するために腫瘍の塊の部分だけでなく深さも周囲の皮膚もまとめて切除する必要があります。
例えば皮膚の表面にできた腫瘍の大きさが数mmであっても、最低でも直径4cmの円形に切除しなければいけません。
4cmもの大きな範囲を指先に確保するのはほとんど不可能です。
そのため、指先にできた腫瘍は指ごと切断する選択を取らざるを得ないことが多いです。

感染症
断指術は、慢性化してしまった感染症でも行われる手術です。
感染症のコントロールができないと、細菌がどんどん深い部分に進行していき、最終的に全身に回って菌血症という状態になることがあります。
菌血症になると心臓など命に係わる器官へ感染を広げてしまう恐れがあるため、コントロールの効かない感染症では断指術が選択されることがあります。
このような状況になるのは単純な感染症ではなく、基礎疾患に糖尿病などの傷の治りが悪くなるような疾患がある場合が多いです。
骨髄炎
骨髄炎でも断指術が行われることがあります。
骨髄炎は、骨の根幹部分に存在する骨髄という部分の細菌感染による炎症を指します。
骨髄は、骨に血流をもたらす重要な器官なので周囲の骨の組織に厳重に守られている組織です。
しかし、骨折などで骨の深部にまで傷が入ってしまうと骨髄まで細菌が侵入してしまうことがあります。
骨髄炎では発熱などの全身症状により元気や食欲がなくなったり、激しい痛みにより歩行が難しくなることも少なくありません。
重度の外傷
重度の外傷でも指を切断せざるを得ないことがあります。
人間での切断手術等でこのイメージが強い方は多いのではないでしょうか。
犬の指は小さいので、指を交通事故などで指を切断するような外傷を負うケースはあまりありません。
断指術になるような外傷で最も多いのが、輪ゴムや糸などが指の根元に絡まってしまう事故です。
これらの事故は、早く気が付けば表面の皮膚の傷だけでよくなることも多いです。
しかし、糸やゴムが絡まってから時間が経ってしまうと、指への血流が戻らず指が腐ってしまいます。

術後の生活
指を切断する手術と聞いて最も心配なのが術後の生活ですよね。
結論からお話しすると基本的には、生活には影響がないことがほとんどです。
断指術をした犬も、残り足の指に体重をかけることで歩いたり立ったりしています。
指が1本もなくても、手術から数日で日常生活は術前と変化なく過ごすことが可能です。
手術直後の生活は、傷の痛みにより縫合した部分を犬が気にして舐めてしまうことがあります。
しつこく舐めてしまうと傷口から感染症を起こすこともあるので、術後はエリザベスカラーによる傷の保護が必須です。
場合によっては、傷のケアのために包帯や毎日の消毒が必要になることもあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
断指術について詳しく知ることで、ショッキングなイメージが払拭されたのではないでしょうか。
愛犬の感染症や腫瘍などの命にかかわるような病気を指摘され断指術を提案された飼い主様は、断指術について前向きに検討できるようになっていただけると嬉しいです。
ラスクでは、専門的な知識と高度な技術を持った獣医師が手術を行うことで、手術前後の飼い主様の負担を軽くすることが可能です。
当サービスについて詳しく知りたいという飼い主様はぜひ、提携病院までご相談ください。
